【文科省違法天下り闇組織】現役出向→復職即日退職→天下り再就職 人事課OBがあっせん調整


文科省の天下りあっせん問題を巡り、松野博一文科省は20日の衆院予算委員会で、内閣府の再就職等監視委員会が認定した10件以外に、大臣直轄の調査班が確認した違法なあっせん事案があることを明らかにした。

そしてきょう午前、問題の全容解明に向けた調査を進めてきた中間報告として、新たな違法天下りあっせん関連事案17件が確認されたことを、松野文科相自身が発表した。

その中には、関係先として上智大や筑波大などが含まれ、早稲田大への元局長の再就職などと合わせ、違法事案は27件となった。また、辞職した前川喜平前事務次官や人事課職員ら計16人が違法なあっせんにかかわっていたことも判明。

国家公務員の再就職は、2008年12月に施行された改正国家公務員法で、現役職員による再就職あっせんが全面的に禁止されている。また、現役役職員自らが利害関係先に求職活動することも禁じられている。

さらに、管理職経験者は、退職後2年間以内に再就職する場合は、内閣官房内閣人事局に届け出なければならない、とも定められている。

だが、官僚が自らを縛るために作る規則や法律(案)には、必ず抜け道が用意されている。

多くの場合、実際に法案として国会に提出するのは内閣であり、それを審議して成立させるのは立法府の役割だとしても、だ。そして、それはこの問題でも例外ではなかった。いかに政府や国会の能力が官僚に追いついていないかを示している。

今日の東京新聞によれば、2008年12月の規則改正以降、文科省の管理職経験者26人が大学などへの「現役出向」から戻った当日に文科省を退職、翌日に大学などに再就職していたことが判明した。また独立行政法人などから復職し、大学などに再就職したものも7人に上る。

同省人事課がOBの嶋貫和夫(67)を調整役とするあっせん体制について「引き継ぎ書」を作り組織的に運用していたことも判明したと報じている。

まさに文科省内に違法天下りのための闇組織が存在していたということだ。

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東京新聞2017年02月06日

「現役出向」は官僚が役所を一時退職し、民間や独法などで勤務することを言い、出向時や出向先を離れる際に退職金は出ない。

出向先で公務員の知識や経験を活かし、コスト意識を学ぶのが狙いとされているが、実際は出向先から戻ったその日に役所を退職するケースが多く、1日だけ復職するのは“退職金を受け取るため”とされる。「出向経験を省庁で生かす(官民交流)」などの歌い文句は絵空事に過ぎない。

大学には運営費交付金や経常費補助金など、国から税金が投入されており、文科省と教育機関には利害関係が生じやすい。

大学側が役人の現役出向を受け入れるのは、それによって文科省とのパイプを太くするためで、文科省側には大学を天下り先“植民地”として温存する狙いがあり、当然そこには、予算配分などでの便宜供与をするという公然の秘密がある。その原資はもちろん、税金だ。

そのため国家公務員法では、在職中に利害関係先への求職活動をすることは禁じられている。しかし、国立大に教授などで出向する場合、一般的には「密接関係法人」へのあっせんを禁じた「独禁通則法」が適用されるものの、国家公務員法の監視対象からは外れる。

内閣府が事務局となっている再就職等監視委員会の監視対象でもなくなるため、ルールに反していても「見えない」というのが実態とされる。

監視委員会が1月20日に公表した報告書では、元高等教育局長が在職中に、早稲田大への求職活動をしたなどの事案10件を違法行為として認めた。

ほかにも違法性が疑われる28件のあっせん事案があると指摘したが、内容は明らかにされなかった。「詳しい調査は文科省に委ねる」と言うが、官僚同士の相互監視には限界がある。

2009年9月の政権交代時に、鳩山由紀夫首相が「天下りの根絶を表明し、翌年度の再就職は半減した実績がある。しかし、11年度からは再び増加に転じた。

天下りに人を押し出す要因の早期退職慣行が依然として残り、根絶に向けた機運が後退したためとの見方がある。その後5年で倍増し、元へ戻っている。

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東京新聞2017年01月20日朝刊

いつまでたっても役人天国から逃れられないような社会では、納税者がかわいそうではないか。世論が納得する形での追加処分が求められるが、役人の利害を超えたところで、新たな監視機関を作る必要もあるのではないか。

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「教育再生」などおこがましい日本の文部科学行政


文科省違法天下り、新たに17件 職員16人関与、懲戒検討
(共同通信47NEWS 2017年02月21日11:37)

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天下りあっせん問題で中間報告をする
松野文科相=21日午前、文科省

 文部科学省の天下りあっせん問題を巡り、松野博一文科相は21日午前、全容解明調査の中間報告を公表、新たに違法な天下りあっせん関連事案17件を確認したことを明らかにした。関係先には上智大や筑波大などが含まれ、早稲田大への元局長の再就職などと合わせ、違法事案は27件となる。辞職した前川喜平前事務次官や人事課職員ら計16人が違法なあっせんに関わっていたことも判明、松野氏は追加の懲戒処分を検討する。

 中間報告は、同省人事課が、OB嶋貫和男氏(67)を調整役とするあっせん体制を引き継ぐためのメモを作成していたことを確認した。

(転載おわり)



「出向」の名で「天下り」か 復職翌日に再就職 8年で26人
文科省、うち4人は同じ大学へ

(東京新聞2017年02月21日朝刊)

文部科学省の天下りあっせん問題を巡り、国家公務員の再就職規則が変わった2008年末から昨年9月末までの間に、文科省の管理職経験者26人が大学などへの「現役出向」から戻った当日に文科省を退職し、翌日に大学などに再就職していたことが分かった。うち4人は出向先の大学に再就職しており、出向が事実上の再就職だった可能性もある。(山口哲人)

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監視委、チェック外れ

文科省が政府に届け出た再就職報告を本紙が集計した。4人はそれぞれ国公立大学に教授などとして出向。特定の所管業務を持たない「大臣官房付」として文科省に復職した日に退職し、翌日に出向先と同じ国公立大学に再就職して教授などの職を得た。4人が出向、再就職したのは名古屋大、大阪大、岩手県立大、奈良県立医科大。

26人のうち15人は国立大の理事長を務めた後、一時的に復職し、翌日に別の学校法人に事務局長などとして再就職。7人は独立行政法人などから復職し、国公立大や学校法人に再就職した。

「現役出向」は官僚が一時退職し、民間や独法などで勤務する。出向時や出向先を離れる際に退職金は出ない。出向先で公務員の知識や経験を生かし、コスト意識を学ぶ狙いだが、復職当日の退職では、出向経験を省庁で生かせない。

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文科省再就職等問題担当室は、出向者の一日だけの復職には「退職金を受け取るためだ」と説明。26人が再就職する際に文科省のあっせんがあったかどうかについては調査中としている。

国立大に教授などで出向する場合、一般的には「密接関係法人」へのあっせんを禁じた「独法通則法」が適用されるものの、国家公務員法の適用外となる。内閣府が事務局を務める再就職等監視委員会の監視対象からも外れ、ルールに反した再就職の有無が見えにくくなる。

今年1月現在、文科省官僚241人が全国の国立大に出向。河野太郎前行革担当相は1月の衆院予算委員会で「文科省の植民地になっている」として出向をやめるよう求めている。

組織不祥事に詳しい同志社大の太田肇教授(組織論)は「文科省と大学の癒着を生じさせないため、法律で利害関係先への再就職を禁じている。現役出向時には適用されず骨抜きになっていないか懸念がある」と指摘している。

(転載おわり)


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