【尖閣への安保条約第5条適用】何度も繰り返し聞かなければ不安で寝付かれない アベの小さすぎる肝っ玉

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冒頭より気持ちの悪いシーンで恐縮至極ですが…

日本のマスコミでは“笛や太鼓”の鳴りモノ入りで伝えられながらも、現地アメリカではほとんどだれも注目しないという、「世界のビッグ・ツー」 アベ・トランプ会談が、現地時間の10日行われた。

そのことについては、一昨日の当ブログ*でも触れているが、今回の首脳会談で最も注目されたのは日本の安全保障問題、わけても、日本と中国との間で、常にトラブルのもととなっている尖閣諸島についてだ。

→参照:*「一昨日の当ブログ」=『日米首脳会談より実入りの多かった「トランプ・習近平電話会談」 沖縄の基地撤去でパラダイム転換を図れ

会談後発表された共同声明(日本語による正文はこちら)の冒頭にも、「日米同盟及び経済関係を一層強化するための強い決意を確認」とあるように、今回の会談を特徴づけるのは「日米同盟の一層の強化」である。

核の傘による日本防衛や辺野古基地建設推進をうたった後に、「日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを(日米首脳は)確認した」として、共同声明という形では恐らく初めて、尖閣への安保条約第5条の適用が文言として入れられた。

共同記者会見でもアベ首相は、このことがよほどうれしかったと見え、上機嫌で翌日の“フロリダ・ゴルフツアー大興業”へと向かった。

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(クリックで拡大)

だが、この尖閣への第5条の適用は、従来の米政府の見解をトレースしたものにすぎず、オバマ前大統領も2014年に同様の発言をし、先日の稲田防衛相との会談でもマティス米国防長官が言及しているところだ。

問題の「安保条約第5条」を見てみよう。ここにも、はっきりと条約の適用範囲は「日本の施政権下にある地域」と書かれている。

第五条 各締約国(日本と米国のこと)は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。(以下略)

これは一見して、日本が他国からの武力攻撃を受けた場合(占領された場合も含め)、米国は敢然として軍隊を出動させ、日本を防衛するかのように見える。

しかし、物事はそう単純ではない。米国は「主権(sovereignty)」と「施政権(administration)」という二つの言葉を巧みに使い分けていることを、政府関係者は知らないわけではあるまい。

米国は自国領土以外の地域については、領有権が、係争中のいずれの国に属しているか(主権の在り処)を明言しない伝統的立場をとっていて、日米安保の適用範囲についても、決して「主権」には触れないで、もっぱら、実効支配している国の「施政権」についてのみ言及しているのだ(その理由は諸説あるが、ここでは触れない)。

したがって、日米安保第5条においても、はっきりと「日本国の施政の下にある領域」が攻撃を受けた場合、とあり、日本の領土であっても(あるいは、日本が「これは日本の領土だ」と主張していても)、日本の施政権が及ばないところは当然に、安保条約の対象とはならないから、米国にはそれを防衛する条約上の義務はないことになる。

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例えば、竹島(独島。韓国の施政権下にある)や北方領土(南クリル諸島。ロシアの施政権下にある)について政府は、「日本の領土」であると主張しているが、日本の施政権が及んでいない現状では、米国が軍事力を行使し、「日本防衛」のために取り戻しに行ったりはしないわけだ。

そのことは当然、尖閣諸島(釣魚島、北島、南島など)についてもいえる。

尖閣諸島においては、竹島や北方領土と同様に、日本の主張はどうあれ、他国(この場合は台湾を含む中国)も領有権を主張しており、日中間での帰属問題の決着が付いていない。

現状では日本が施政権(管轄権)を有しているにすぎず、1972年の田中角栄・鄧小平周恩来会談*により、領有権の主張は双方が「棚上げ」とすることで合意された。

→:*『1972年の田中角栄・周恩来会談』=「1972年9月25日~28日・-日中国交正常化交渉記録―アジア局中国課」(「田中明彦研究室」による)のうち「第三回会談」(9月27日)。〔日本側出席者〕田中総理大臣・大平外務大臣・二階堂官房長官・橋本中国課長 〔中国側出席者〕周恩来総理大臣・姫鵬飛外交部長・廖承志外交部顧問・韓念龍外交部副部長…[備考]情報公開法に基づいて読売新聞社が外務省に開示を求めて公開された文書

これをもって中国は、「日中間には未解決の(領土)問題がある」と言っているのであり、日本政府(アベ政権も)は認めようとしないだけである。

双方が「(今すぐは)主権を主張しない」というのが“72年合意”であるから、中国は日本に当面の施政権はあっても、武力でそれを取り戻す行為はせずに、島の帰属については「将来世代の話し合いによる解決にゆだねる」姿勢をとり続けてきた。

だが、石原シンタロが東京都知事時代、ポピュリズム丸出しに「中国に占領される」との危機感を煽り立て、自らが先頭に立って日本人地権者(民間人)からそれを買い取ろうとし、広く国民に呼びかけて資金の寄付を募ったところから、話はこじれ始めた。

当時政権の座にあった野田佳彦首相(民主党政権・当時)が、極右・シンタロの知事権限下にある都が買い取れば、知事自らが尖閣に上陸するなどの事態が起こりうることを含めて、中国との摩擦がより激しくなるとの判断から、今度は首相が前面に立ち、国有化(地権者からの買い取り。予算額20億5000万円)してしまった(2012年9月)。

この時点で野田には、日中間で協議するなど、別な選択肢はあったはずだが、首相として当然備わっていなければならないはずのフレキシブルな国際感覚に乏しい野田は、中国の主張を一顧だにすることなく、大きな間違いを犯してしまった。

この野田の行動は、あからさまに日本の国家権力が最前線に立って尖閣の取得に動いたことを意味し、日中間の尖閣の帰属をめぐる対立の火種に余計な油を注ぐ結果となった。

中国からみれば、日本国内における所有権がだれにあろうと、それが民間人相互や民間人から地方自治体への移転であれば、「棚上げ」の範疇であり、問題ではなかった。

しかし、野田が国の所有にしたところから、国家が所有権を取得することで、日本が一方的に主権を主張し始めたと見た中国は、「双方が主権を主張しない」「将来世代にゆだねる」との合意が破られたと受け取った。

尖閣の買い入れを野田が閣議決定したとき、中国外交部は「われわれは日本側に対し、中国の領土主権を侵害する一切の行為を直ちにやめ、中日双方の合意した共通認識と了解に正真正銘立ち戻り、交渉による釣魚島問題の解決のルールに戻るよう求める」との声明を出した。

ここで中国が言う「日中双方の合意した共通認識と了解」とは、先述の「田中・周合意」をさすのであり、尖閣の帰属に関しては「現状維持」を優先し、中国側は「日本の実効支配を黙認する代わりに、日本側は実効支配を強めることはしない」とする「暗黙の了解」に立ち返れ、と主張したわけだ。

日本政府はその場になって、こうした中国側の主張には根拠がないとか、暗黙の了解はなかった、と言い張っているが、1972年9月の日中国交正常化交渉に立ち会い、その後の共同声明草案を作成した栗山尚一外務省条約局長(当時。後に外務次官、駐米大使を歴任)は、「国交正常化に際し、尖閣問題は『棚上げ』するとの暗黙の了解が首脳レベルで成立したと理解している」と証言している。

野田政権は無責任にも、火種を大きくしたまま潰(つい)え、その後に登場したのが、シンタロと同じ流れを汲む“反中国ゴッチゴチ”の右巻き・安倍シンゾだったことから、話は解決不能なまでに固化してしまったのだ。

話を元に戻すが、この日米安保条約第5条では、日本の施政権下にない“領土”には、米国は手出しをする一義的な義務はないことになっている。

したがって、仮に中国が尖閣を急襲の末、上陸・占領してしまえば、もはや日本の施政権の及ばない領域ということになり、条約上、米国の防衛義務から外れることになるから、米軍は手出しをする必要がない、(または、あえて手を出さない、ないしは、手を出したくない)ということになる。

もちろん、米国の世界戦略に照らし合わせ、その時々の政治・軍事状況にかんがみて、手を出すことが米国の国益になると判断すれば、米国は躊躇なく軍を出す(トランプに限って言えば、「自分の儲けファースト」がそこに加わる)。

それは尖閣に限らず、ベトナムでもしかり、イラクやアフガニスタンやイランや中南米でもしかり、世界中、どこにでも出かけ、爆弾を落とし、政権の転覆までやってのける(た)。

つまり、尖閣の防衛に米軍が軍事力を行使するかしないかは、日本に決定権があるのではなく、あくまでも米国自身の判断によることになる。

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では、仮に中国が武力で尖閣を取りにきた場合は、米軍が直ちに出動してその防衛に当たるのだろうか。

ここに、日米同盟の在りように関する極めて重要な文書がある。2005年10月29日に、当時のライス国務長官、ラムズフェルド国防長官、町村外務大臣、大野防衛庁長官のツープラスツーによってまとめられた「日米同盟:未来のための変革と再編」(外務省ホームページに〔仮訳〕)で、これはその後も日米首脳によってたびたび確認されている重要文書だ。

この文書は、今回のアベ・トランプ首脳会談や共同声明以上の重みを持ち、その後の日米の軍事・防衛体制の基本を定めた取り決めともいえるもので、「1.概観」に次ぐ「2.役割・任務・能力」の項目には、「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼(とうしょ)部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応する。(後略)」と書かれている。

この文書の中には、日米双方が日米同盟(日米安保条約)に基づいて、それぞれが果たすべき役割や双方が協力して行うことなどが細かく規定されているが、尖閣諸島などの島しょ部への侵略に対しては、日本が(第一義的に)対処し、自らを防衛することと想定されている

つまり、第三国が尖閣諸島を武力攻撃し、占領しようとしてきたとき(「島しょ部への侵略」)は、米軍が直ちに出動するとは書かれておらず、まずは自衛隊が対処しなければならないことになっている。

したがって、仮に第三国が圧倒的な武力をもって尖閣を急襲し、一瞬のうちに自衛隊の防衛線を突破して占領してしまえば、日本の施政権はその時点で失われ、安保条約の対象外となる事態が起こり得る。その後は、竹島や北方領土と同様に、他国の施政権下に入ることが想定される。

その時点で米軍は、「出動する義務を負わない」、または「出動しない権利を持つ」というようなことが考えられ、少なくとも、「出動するかしないか」は、前述のとおり、米国の判断にゆだねられると解釈できる

今回の首脳会談で“高らかに”宣言されたことは、「日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されることを(日米首脳は)確認した」にすぎなく、第5条の条文をそのまま共同声明にコピペしただけの話だ。

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米国は、核の先制使用権を放棄していないと同様に、人道に悖ることや条約上の信義に反するような場合であっても、自国の利益に反することはしない。そのことを世界は、中東だけでもいやというほど見せつけられてきている。

また、2015年4月に改定された日米ガイドラインでは、「自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施する」として、尖閣を念頭に置いた記述となっているが、他方、米軍は「自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」とされているに過ぎない(「日米防衛協力のための指針(2015.4.27)」-『Ⅳ.日本の平和及び安全の切れ目のない確保』C-b-ⅳ)。

すなわち、ここでも、改定前の「97年指針」に比べて「島嶼」という文言が加えられてはいるが、あくまでも「作戦を主体的に実施する」のは自衛隊であることが明確にうたわれ、米軍は「(それを)補完するための作戦を実施する」という役割分担の域を出るものではない。

さらに、アーミテージ元米国務省副長官がジョセフ・ナイ・ハーバード大教授との対談で、「日本が自ら尖閣を守らなければ(日本の施政権下ではなくなり)我々も尖閣を守ることができなくなるのですよ」(「文芸春秋」2011年2月号)と述べていることにも、留意する必要がある。

「日米同盟の守護神」を自他ともに認めるアーミテージでさえ、尖閣が一時的にでも日本の施政権下でなくなった場合は、安保条約第5条の対象外となるとの認識を示しているのだ。

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加えて、元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享も「尖閣諸島では中国が攻めてきたときには自衛隊が守る。この際には米軍は出ない。ここで自衛隊が守れば問題ない。しかし守り切れなければ、管轄権は中国にわたる。その時にはもう安保条約の対象ではなくなる」と、アーミテージと同様の見解を述べている(『日本の国境問題――尖閣・竹島・北方領土』)。

また、元共同通信社論説副委員長で、早稲田大学政治学研究科客員教授の春名幹男(『米中冷戦と日本』)は、1951年の旧日米安保条約作成の米側責任者を務めたジョン・F・ダレスが「日本国内の駐留米軍は、『日本政府による明示的な要請』が行われた場合、こうした間接的な侵略に対抗するため援助を行う権利を持っているが、それは必ずしも義務的なものではない」と述べている(『フォーリン・アフェアーズ』)点を指摘している。

なんと驚くなかれ、日本の防衛について米国は「権利を持っているが義務ではない」…これが米国側の偽らざる日米安保の運用スタンスであり、日米同盟の実態なのだ。アベが聞いたら卒倒しかねないが(意味を理解できれば、の話だが)、全てはその時々の「(神ならぬ)米国の思し召しの通りに」ということなのだ。

長くなった。これ以上駄文を連ねると、誰も読んでくれない(らしい)ので、今日は「日本の防衛に関する安保条約第5条の適用」という視点を書くにとどめるが、「カイロ宣言」や「サンフランシスコ講和条約」、「米国憲法」、「(米国)戦争権限法」、「NATO条約と日米安保の比較」、「米国はなぜ、主権に関してだんまりを決め込むのか」など、多くの語り尽くせなかった点は、いずれ別の機会にしたい。

最後に重ねて言うが、野田政権による「国有化」の以前には、わずかの例外(2008年12月)を除いて、中国公船は尖閣の12カイリ領海には侵入せず、日本の実効支配を形の上でも尊重してきた。

だが日本の国有化以降中国は、以前のような「黙認」の姿勢を転換し、中国自身が主張する領海ではパトロールを繰り返すなどの実効支配の様相を見せ始めている。

シンタロと野田という、歴史認識にも国際感覚にも鈍感な連中の残した後遺症は、のちのち埋め合わせることが至難なほど重症化した。

だが、アベの体育会系鉄筋脳味噌は、大局的見地からそれを修復する努力をできずに、4年以上にわたって「アメリカの飼い犬」的外交姿勢をとり続け、「日米同盟の一層の強化」のみに頼ろうとしてきた。

まさにこの点にこそ、米国が国境係争中のニ国間にあって、「主権」の在り処については巧妙に言及を避けている「謎」が秘められていると言える。

アベは、そのトランプが仕掛けた「尖閣への安保第5条の適用」という撒き餌につられ、“蟻地獄”的落とし穴に見事にはまってしまった。それが今回の日米首脳会談の実相である。

そうしたアベ政権に代表される知的劣化の甚だしい日本外交は、尖閣をめぐる日中の関係を、波風の立たない「現状維持」から、中国側も強く領有権を主張する「係争状態の現状維持」に変質させた。

今また、世界の首脳が米新政権を見極めるべく一定の距離感を保っている中で、安倍シンゾだけは、トランプ政権と気持ちの悪いほどの“肌感覚的密着型遠距離恋愛”にフォーリンラヴしつつある。日本にとっても、アジアにとっても、これほど危険な“フカギャクテキ”オルタナティブ外交はない。

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【日米首脳会談】貿易、通貨安 先送り 同盟過大な役割も
(東京新聞「核心」2017年02月12日朝刊)

安倍晋三首相とトランプ米大統領は10日(日本時間11日)の首脳会談や昼食会で、日米間の課題について議論した。「非常に和やかで打ち解けた雰囲気」(首相同行筋)で、トランプ氏は厳しい安全保障の問題で深入りはせず、表立った対立は見えなかった。だが、一件落着というわけではなく、これから本格的な議論が始まる。(ワシントン・後藤孝好、東條仁史、石川智則)

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【経済】車・農業で摩擦再燃も

省略

【為替】円安不満の本音除く

省略

【安保】尖閣 条約適用を明記 駐留経費負担増 言及なし

日米首脳会談で安全保障政策については、沖縄県・尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用対象と共同声明に明記されるなど、ほぼすべての項目で日本政府の期待通り、トランプ米大統領の「言質」を得た。同時に、両首脳は南シナ海やテロとの戦いで協力強化を申し合わせ、米国との軍事的連携がさらに強まることが懸念される。

会談後に発表された共同声明では、尖閣諸島問題や北朝鮮の脅威、米国による「核の傘」に触れ、日本を防衛する米国の責任は「揺るぎない」と明記。トランプ氏は共同記者会見で「日本の安全保障に責任を持つ」と強調した。

日本政府が懸念していた在日米軍駐留経費負担の問題は議題に上らず、トランプ氏は在日米軍の受け入れに「感謝する」とも表明。トランプ氏は大統領選中、日本側に駐留経費の負担増を求め「公平な負担を支払わないなら日本を守れない」とさえ発言していただけに、日本政府は「こちらの考えはすべて盛り込まれ、要求は一切なかった」(外務省幹部)と評価した。

一方、会談や共同声明では南シナ海情勢に懸念を共有し、テロとの戦いで「協力を強化する」とした。会談でトランプ氏が「(日米)同盟にさらに投資し、両国の防衛能力を深めたい」と話すと、首相は「日本の役割をしっかりと果たしていく」と応じた。

日米両国は首脳会談を踏まえ、外務、防衛担当閣僚間で「同盟をさらに強化するための方策」を協議する方針。トランプ氏は中国による南シナ海の軍事拠点化を繰り返し批判し、「イスラム国」(IS)掃討に関して大統領令も出している。閣僚協議ではこれらの問題で日本に関与を求めてくる可能性がある。

自衛隊が世界規模で米軍の軍事行動を支援する流れが、両首脳の個人的関係の下、加速することにもなりかねない。

(転載おわり)


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日米首脳会談 「辺野古唯一」 許されない
(琉球新報電子版「社説」2017年02月12日06:02)

 安倍晋三首相とトランプ大統領の日米首脳会談で、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を「唯一の解決策」として推進することが確認された。世論調査などで県民の7~8割が反対する辺野古新基地建設だ。日米首脳が沖縄の頭越しに「唯一」と規定するのは許されない。

 トランプ氏は選挙中、在日米軍撤退をちらつかせて日本に在日米軍駐留経費の負担増を求める発言をしてきた。日本側はトランプ氏がどんな要求を突き付けるか、身構えていた。

 しかし今回、米側は駐留経費などの問題には触れなかった。一方で日本側が焦点としてきた中国が領有権を主張する尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だと確認した。

 首脳会談の共同声明として初めて、辺野古新基地建設が「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である」と明記した。

 一方で、喫緊の課題である普天間飛行場の2019年2月まで(5年以内)の運用停止について日本側が要求することもなく、沖縄の基地負担軽減は議題にならなかった。安倍首相が沖縄の基地負担軽減を政権の課題とみなしていないことが分かる。

 日米同盟を一層強化することでも一致し、米側は防衛面では日本側の要求をそのまま受け入れた形だ。

 米側は経済面ではしっかり実を取った。象徴的なのは環太平洋経済連携協定(TPP)に代わる2国間の枠組み協議を確認したことだ。共同声明では「米国がTPPから離脱した点に留意し、最善の方法を探求する。日米で2国間の枠組みに関する議論を行う」とした。

 安倍首相は国会などで米側にTPP離脱の翻意を促すと繰り返してきたが、実行しなかった。今後はトランプ氏の求める2国間の自由貿易協定(FTA)に向けた議論をせざるを得ない。
 防衛面では日本に譲り、経済面では自らの主張を通す。経済人トランプ氏ならではの「ディール(取引)」外交といえよう。

 しかし米国の経済政策と絡めて、ただでさえ米軍基地の過重負担にあえぐ沖縄に新たな基地を押し付ける日米の策が許されていいはずはない。辺野古の海は日米への貢ぎ物ではない。

(転載おわり)


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[日米首脳会談]強まる「対米従属」懸念
(沖縄タイムスプラス「社説」2017年02月12日09:15)

 イスラム圏7カ国からの入国禁止令などトランプ米大統領の排外主義的政策に各国首脳の批判が相次ぐ中で開かれた日米首脳会談。

 その政策に異を唱えない首相を迎えて、トランプ氏が示したのは最大限ともいえる「サービス」だった。

 安倍晋三首相とトランプ氏の初の首脳会談では、貿易や投資分野などを幅広く協議する麻生太郎副総理とペンス副大統領らによる枠組みの新設で合意した。尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象だと共同声明に明記し、中国の海洋進出を念頭に力による現状変更の試みへの反対も明確にした。

 「米国第一主義」を掲げるトランプ氏が、とんでもない要求を突き付けるのではと身構えていたせいか、自民党内からは「最高の成果だ」との声がもれる。

 しかし今回の合意は、おおむね従来の日米関係を継続するものだ。トランプ氏が「強固な同盟」をどこまで引き継ぐかは不透明で、今後予想されるリスクへの対応が重要となる。

 共同声明では、米国の環太平洋連携協定(TPP)離脱を踏まえ、それに代わる2国間の枠組みに言及している。複雑なバランスの上に成り立つ多国間のTPPとは違って、米側が日本に大幅な譲歩を迫る可能性を否定できない。

 同盟強化の流れの中で、トランプ氏が持論とする在日米軍駐留経費の負担増や自衛隊の役割拡大が進むことも懸念される。

■    ■

 日米首脳会談では、米軍普天間飛行場の返還を巡り「辺野古移設が唯一の解決策」であることも確認された。恐らく日本側が主導し、国内向けに盛り込ませたものだろう。

 これまでも日米首脳会談、防衛相会談のたびに確かめ合ってきたことだが、それにしても「辺野古唯一」「辺野古唯一」と同じことを何度も確認し続ける、この異様さはいったい何なのだろうか。県民に対し、抵抗しても無駄だと言わんばかりである。

 しかし繰り返し繰り返し言わなければならないということは、逆に言えば地元沖縄の反対が極めて根強いからである。

 辺野古沿岸部への新基地建設を含む米軍再編計画は、そのほとんどが県内移設を前提にしており、基地を巡る「構造的差別」を半永久的に固定化するに等しい。

 状況の変化を踏まえた計画の見直しが必要だ。

■    ■

 入国禁止の大統領令への反発が国内外で高まる中、会談には世界の目が注がれた。

 会見で入国禁止令について聞かれた安倍氏は「コメントは差し控えたい」と言及を避けた。トランプ氏を刺激しないためとはいえ「アメリカにノーと言えない日本」を世界に強く印象付けてしまった。

 朝鮮戦争やベトナム戦争、イラク戦争など米軍が戦った主要な戦争で、日本は常に米国を支持する側に回った。

 日米同盟強化の名の下に日本の役割を拡大すれば対米従属は一層強まる。対米従属が強まれば沖縄の基地負担はさらに重くなる。

(転載おわり)


この記事へのコメント

  • aku

    問題の起点になる尖閣諸島領有権問題の
    基本知識に誤り(欠落)がある。
    ウィキペディア等でも簡単に情報を収集できるので
    訂正を要望する。

    尖閣諸島領有権問題に関しては
    1968年の海洋調査で石油資源が発見されたことが発端
    以降、中国・台湾が領有を主張し始める。
    (1968年以前には中国・台湾は領有を主張していない)

    近代で大日本帝国の領有を示す証拠が多数あり、
    国際司法裁判所に提訴されれば、確実に日本が勝訴する案件。
    (国際司法裁判所は被告となった国が同意しないと裁判が成立しない)
    (日本は国際司法裁判所に提訴された場合、必ず応じることを宣言している)

    この為、中国台湾側が同海域を領有するためには
    なし崩し的実効支配するしかない為、
    中国台湾の活動家が上陸しようと領海侵犯をしたり、
    2004年に中国の原潜が同海域を領海侵犯したりと色々トラブルが発生している。
    (原潜の領海侵犯以降、中国共産党機関紙なども沖縄侵略を公言)

    2010年9月7日 尖閣諸島中国漁船衝突事件。
    この件で中国は明確に領有権を主張。
    また、政府が同船船長の裁判を行わずに中国に返すなど
    政府の対応があまりにも中国寄りだった為、世論の非難を浴び
    中国漁船衝突映像が流出するに至って、政府への不信が大きくなる。
    (この件はトップニュースで連日報道される)
    この政府への不満にこたえる形で石原慎太郎東京都知事による
    東京都の尖閣諸島の買取への行動が始まる。
    2017年03月21日 07:10
  • ayame

    >akuさん

    他人のブログに入り込んできて、いきなり、しかも一方的に「誤りがあるから訂正しろ」とは、ずいぶんと礼をわきまえない居丈高なおっしゃりようですな。議論の前に、気分が萎えてしまいます(「あ~あ、また馬鹿が来たぜ」)。

    ま、せっかくですからお答えしますが、私が本文で述べた「尖閣諸島領有権問題の基本知識」に誤りはありません。

    石油資源の発見や、近代での日本の領有を示す証拠云々などは、今回の記事のテーマである「尖閣への安保条約第5条の適用問題」とは何の関係もありません。

    今回私が、あなたが言うような点について触れていないのは、以上のような理由からであり、「知識の欠落」などという問題ではないのですよ。

    あなたがこの問題にどれほどお詳しいのかは分かりませんが(あなたの文章能力からみて、底の浅さは歴然ですが)、少なくともあなたの論は日本政府の、もしくはシンタロら極右の主張そのまま(=ネトウヨレベル)であり、中国は全く別な論を唱えています。

    いいですか。中国は日本が主張していると同様に、尖閣の主権(領有権)を主張しているのであって、その意味において尖閣の島嶼と付属海域は、日中2国間の「領土問題」のホットな現場なのです。

    問題は、日本政府が両国間には「領土問題」は存在しないと言い張っているだけなのです。一方が「存在する」と言い、他方が「存在しない」と主張するのであれば、結論は「存在する」ということになるのです。

    であれば、中国人がたまに漁船を入れたところで大騒ぎするほどのことではないのです。かつて日本人が尖閣に上陸したこともあるんですよ。日本のコースト・ガードも常時パトロールしているではありませんか。

    あなたは、こと「領土問題」となると、頭に血がのぼる典型(「中二病」と言います)なのでしょうが、もう少し落ち着いた議論はできないものでしょうか。冷静になって、日中双方の言い分を聞く必要があるでしょう。「ウィキ」だけじゃなく、ね。
    2017年03月23日 01:22
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